ただ、ある、という強さ

以前よりお会いしてみたかった人と会った


何かを求めていた


驚愕だった

ああ、敵わない

この人は、何も言わない。

慰めも意見も何もしない


ただ

ただ

ただ

ある、


それだけ。


それを、私という人間を前にしてでさえ

突き通す


強さ

 


ああこの人って自然なんだな

たまたま人間だけど、自然なんだ



何も言わない

何も語らない

何も聞こうとしない


ただ聞こえはする

それを拒否したりもしない


ただ

ただ

そこにある




私はある瞑想合宿に行こうとしたことがある

ただある、ことをしてみたくて


ただ生きるだけ

ただ呼吸するだけ

ただそこにあるだけ


これは怠惰ではない

強さなのだ



ああ、敵わない

もはや相手にもされてない

ただただそこにあり続ける


私はそんな機会をただあることが出来ず

周りの正しそうな意見に負けて


参加しないという決断をした

してしまった


ただあることができなかった

こんなに脆いんだ

こんな脆いんだ



でもこの人は違う

ああ、この人は違うなって


この人は周りなんか気にしちゃいない

目の前の人間なんか気にしちゃいない


ただただ人間やってる


ただただそこにあり続けてる

 



私はあり続けられず

話したり

手をそわそわさせたり

ふと笑ってしまったりしている


そしてそんな時

なぜ今、笑ったのですか

とハートをぐさりと刺すような質問をする


質問じゃない

笑うな

馬鹿にするな

命というのを、バカにするな

ごまかすな

自分の命を、軽く扱うな


そう、訴えたのだ


ああ、私という人間は

肉体は地球からの借り物だ。なんて言いながら

借り物だから粗末にしない 出来ない

大事に扱うべきだ

なんて正論めいたことを思いながら

それを実行できていなかった


上滑り 口だけ

自分の命を軽く扱っていたのは、周りの友達でも、社会でも、親でもない


自分だった。

正直に生きるなら生涯幸せであれるという言葉がある。

それくらい、正直ってパワーがある

それくらい、正直って難しい

それくらい、正直であり続けられてない


人っていつどこで何のために嘘をつき始めるんだろう

正直でいられなくなるんだろう


どうして、あの人は正直であり続けられるほど強いんだろう


どうして、自分は正直でないんだろう

どうしたら 正直であり続けられるのだろう


どうしたら、誤魔化さず 怖いなんて思わず ただ堂々とどどーんと生き続けられれのだろう



なぜこんなに不安にかられたり

このままじゃいけないんだなんて思ってしまうのだろう


どうしてこんなにも自分は自分という人間を苦しめてしまうんだろう

それが上手なんだろう


本当は希望とか正直であり続けることとか

求めてないんではなかろうか

怖いんではないだろうか

欲しいと思ってはいるけど 実は欲してなどいなかったのではないだろうか


怖いから。

明るすぎるから。




本当は明るいのに。自分も


怖いことは希望だ。希望というのは、怖いものだ。自分には明るすぎる。


自分だって明るいのに何かと理由をつけて暗くある。甘えてる?んではないか








ただある



ただあれているだろうか



影響とは与えようとするものではない

影響とは結果としてあるものだ


自分の務めはただ一つだけだ。

影響を与えようとして生きる事ではなく

ただそこにあり続けることで結果として影響を与えてしまっている、ということである。




ただあるだけ、をどれだけの人が出来ているだろうか

私が知るのは、現実で目の当たりしたのは、

今のところまだ3人だけだ。